『17歳のカルテ』、10代の危うさ、「甘ったれのお嬢さん」の葛藤

ふと気が向いて映画『バーレスク』と『17歳のカルテ』を鑑賞。

17歳のカルテ』はそれこそ17歳くらいの頃に1度見たことがあって、ウィノナとアンジーの可愛さだけが鮮明に残っていた。今日もその可愛い2人に会いたくてさらっと流すつもりだったのだけど、結局全部観てしまった。

この作品は「メンヘラ映画」と一言で片付けられてしまうんだろうか。この作品を好きだと人に言ったら、一瞬戸惑われたりするのだろうか。わからないけど、私はこの映画が好きだ。昔見たときよりもずっと。

登場人物は全員精神的な障害を背負った若い女の子達。10代のときって、私もやっぱりふらふらしていた。過食やら自傷の気もあった。ただ、自分が病んでいるとは思わなかった。青春を全力で享受し、謳歌することよりも、色々なことに疑問を持ったり絶望したり、死にたくなったりすることの方が私にとっては自然だった。「そこ」にいたいとも思っていた。

作中でスザンナ(ウィノナ)は黒人のカウンセラーから「甘ったれのお嬢さん」と言われる。「自分で自分を貶めてるんだ」と。スザンナはそんな現実を認めたくないから、エキセントリックで破滅の道へ突き進むリサ(アンジー)に憧れのような気持ちを持ちながら、彼女とつるむようになる。だが、とある少女の「破滅」を実際に目の当たりにしたことで、スザンナは自分とリサの徹底的な違いを知ることになる。そして、現実世界へ戻る決意をする。

そう、私もスザンナだった。ハタから見れば恵まれた生活、それでも埋まらない何か。そういうものに苛立ちや絶望を覚えるのに、どうしたら解消できるのかもわからない。いっそ死んでしまいたい。でもできない。それなら死んだように生きたい。心を冷たく固くして。

「甘ったれ」。そう言われたらそうだ。勝手にひとりでのたうち回っているんだ。でも10代ってそういうものだった。だから私はもうあの頃に戻りたくない。そして、時代が変わった今でも、きっとたくさんのスザンナがこの世界に実在しているのだと思う。彼女達もこの映画を観るのだろうか。